十勝千年の森/TOKACHI MILLENNIUM FOREST

十勝千年の森では、大自然を体験できる北海道ガーデンの他、ヤギの哺乳体験なども楽しめるファームガーデン、見て食べて楽しめるキッチンガーデンや現代アートの展示、セグウェイに搭乗できる体験ツアーがあります。

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荒野を切り拓いた 偉大なる森の創設者-㊦【魅力編】


 1987年に構想が持ち上がってから約20年かけて、十勝千年の森のグラウンドオープンを実現させた創設者の林光繁(十勝毎日新聞社顧問、78)。現在も週に1回は本社のある帯広市から約50キロ離れた清水町の森まで足を運んでいます。年月を経て、環境や設備は整ってきましたが、「より多くのお客さまにもっと楽しんでいただける施設にしたい」と、園内の整備や演出には決して妥協を許すことはありません。そして、森をより魅力のあるものにするためのアイデアもまさに無限大。「歴史編」に続き、今回は林がお勧めするスポットを中心に紹介していきます。◎ガーデン全体がひとつのアート作品 仏の彫刻家、オーギュスト・ロダン(1840~1917)は、「芸術というものは自然の研究に過ぎません」という言葉を残しました。それを体現しているのが、背景の日高山脈につながっていく形状のアースガーデンです。ダイナミックに波打つ芝の丘は、人が奥に歩いていくと、パッと隠れて見えなくなる設計です。林は「これほどマジカルで面白いガーデンは、ここにしかない」と胸を張ります。
 園内には独生まれのサテライトアーティスト、インゴ・ギュンター氏や英国のロックバンドグループ、ビートルズのギタリスト、故ジョン・レノン氏の妻として知られる芸術家、オノ・ヨーコ氏らが手掛けた現代アート作品が随所に置かれています。帯広市出身で、伊ローマを中心に活躍してきた彫刻家、板東優氏の作品もそのひとつ。アイヌ神話をもとにした造形物は、背景の日高の山並みと融合し、雄大な庭を芸術的に演出しています。このガーデンは壮大なアート作品であり、全体に仕掛けがあるのです。◎丘の上では「やまびこ」が体感できる アースガーデンの奥にある、千年の丘は園内で最も見晴らしの良い場所です。芽室岳、久山岳、剣山などの日高山脈の山々と十勝平野の畑作地帯の両方を見渡せるまさに絶景スポット。加えて、眼前にそびえ立つ山に向かって叫ぶと、反響した声は「やまびこ」となって返ってきます。近年では、道内でもこのような場所はなかなか見当たりません。林は、都市化が進み、やまびこを知らない子どもたちに「ぜひ体験してもらいたい」と話します。
 木々が風に揺れる音、フォレストガーデンを流れるキサラ川のせせらぎ。自然のオーケストラの音は、心地よく人々の耳に入ってきます。来園者の方たちに「視覚以外にも、五感すべてを働かせて楽しんでほしい」と林は願っています。

撮影:野呂希一◎日本人にガーデンの魅力を伝えたい 日本人は花に非常に関心が高く、一面にラベンダーやサクラソウが咲く場所はたくさんの見物客でにぎわいます。ところが、最近では広大な土地面積を誇る十勝地方ですらも庭をもつ家が減少しています。林は「日本にはガーデンの良さを享受しようとする習慣が定着していない」と嘆きます。ガーデンは、単に花を見るということではなく、そこにあるコンセプト、デザインの美しさに出会うことができる場所。庭や公園の空間を自ら設計し、そして手入れすることで、創造的な発想が生まれてくるのです。
 ガーデニングの本場、英国のコンテストで「世界で最も美しい」と評された土地は、ひとつの庭のモデルとして、北の大地に際限なく広がっています。

林光繁

林光繁

Mitsushige Hayashi

十勝毎日新聞社 顧問

1941年10月24日、帯広市生まれの78歳。道立札幌南高校、明治大学政治経済学部政治学科卒。1964年、毎日新聞社入社。73年3月十勝毎日新聞社入社。75年常務取締役、88年常務取締役編集局長、91年代表取締役副社長、翌年主筆を兼務し、93年1月に代表取締役社長・主筆就任。2009年12月、長男・浩史氏の社長就任に伴い取締役会長・主筆。2019年11月退任に伴い現職。

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